第65章 月みたいな人
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「温かくて…幸せな気持ちだ」
『…ふ、ふふ。それを、知ってもらえたなら、私が今こうやって、天の前に転がってる意味も、あったかな』
「ふぅん…まだまだ余裕があるんだね、エリ」
『え』
「いいよ。すぐにその余裕も、奪ってあげる」
その瞳に挑発的なものが宿ったのを見て、ぞくりと背中が震えた。
天はバサリと服を脱ぎ去ると、今度は私の下半身の服を剥ぎ取る。パンツとショーツが奪われると、纏う衣がなくなって途端に心許無くなる。
戸惑う暇もなく、なんと両太腿をガバっと上へ持ち上げられてしまう。堪らず短い驚きの声を上げる。だってこれでは、天に全てを見られてしまうではないか。
『ひゃっ!ちょ、やっ』
「暴れない」
両膝が胸にくっついて、秘部を曝け出す格好となっていた。
『こっ、この体勢は、さすがに恥ずかし』
「綺麗だよ」
それだけ言った天は、私の視界から消える。そして、内太腿に柔らかな唇が押し付けられた。
『ひっ…ぅ』
「……」
つぅ、と湿った感触が滑る。そしてその感触は、次第に中心へと近付いた。
これから、どこへどんな快感が与えられるのか想像しただけで、クラクラしてしまう。その予見は、もはや抵抗する力すら私から奪った。
そして、天は躊躇なく そこへ顔を埋めた。
『やっ…あ、あぁっ!!』
「んっ、…は」
どろどろに溶けているであろう蜜穴に、彼の舌が出入りする。丁寧に溢れ出る蜜を、舐めとっていく。
もう、頭の線が熱で焼き切れてしまいそう。