第8章 なんだか卑猥で良いね
今日も今日とてTRIGGERは アイドル界のトップに君臨すべく、お仕事に勤しむ。
今回のお仕事は、知名度を引き上げるだけでなく。より彼らを身近な存在だと感じてもらい、好感度をも上げる内容。
そのお仕事とは…。
大学の、文化祭でのステージ!
「あ、ここが控え室として使って頂くお部屋です」
「あぁ。ありがとうな」
「っ、い、いえっ!」ぽやー
案内をしてくれた女子大学生は、近くで そして生で見る楽のオーラにあてられている。頬を赤らめて、トロンとした目で彼を見つめていた。
用意された部屋には、《ようこそTRIGGER様》と飾り切りされた折り紙で彩られていた。
その他にも、メンバーの名前や たくさんのハートが壁に貼られている。
その愛が込もった飾り付けを見つめながら、天が呟く。
「…ボク達の事を、知ってくれていたのかな」
「勿論です!文化祭の実行委員の全員が、皆さんの事が大好きでっ!」
「ありがとう」
悪人までもを改心させると言われる、天の 天使の微笑み。こんなものを至近距離で見てしまっては、並の女の子なら気を失いかねない。
よろめいた女の子を、龍之介が咄嗟に支える。
「大丈夫?」
「あ、は、はい」ちょっと死にかけただけで
「皆んなの期待に応えられるように、ステージ成功させてみせるから。近くで見ていてね」
龍之介のその甘い囁きがとどめとなり、彼女はついに失神した。
私はそんな気の毒(幸運?)な彼女を、教員らしき人に託すと。再び楽屋に戻ってくる。