第52章 D.C
「えっ、本当に?やったぁ!凄く楽しみだよ!」
まるで沖縄の空に輝く太陽のような、キラキラの笑顔で龍之介は言った。眩しい。
「それがファンの声だって言うのなら、ボクは全力で全うするだけ」
天の奉仕精神は相変わらずだ。きっと本心では、気が進まないだろうに…。
「断る!」
眉根を寄せて腕を組み、楽は言い切った。仁王立ちする彼は、それはもう全身で拒否っていた。
このように、三者三様の答えが返って来たわけだが。私が彼らに投げかけた言葉は同一のものである。
ちなみに、その言葉とは こうだ。
『次回の TRIGGERといっしょ のお題が決定しました。見事 1位に選ばれたのは “ 寮生活しているTRIGGERメンバーが見たい ” です』
上記したように、龍之介は快諾。天も仕事と割り切ってくれた。問題は楽だ。
いくら仲間とはいえ、プライベートと仕事はきっちりと分けたいと考えているのだろう。そんな彼にとって、帰宅してもメンバーがいるというのは辛いものがあるのかも。
『まぁここはひとつ諦めて、同じ釜の飯をかっ喰らって下さいよ』
「……」
『視聴者は、ひとつ屋根の下でイチャイチャする3人が見たいんですって』
「言い方がすげぇ気に入らねぇが、ファン全員で決めた事を 俺達が覆すわけには いかねぇよな」
簡単に折れてくれたところを見ると、おそらく初めから 強く反対するつもりはなかったのだろう。とにかく彼から良い返事が聞けた私は、肩の荷が下りた心地だ。
『良かったです。もしノーと言われたらどうしようかと思っていたので』
「春人、お前…。そこまで俺の気持ちを考えて」
『じゃあ早速、実際に皆さんが数日を共にする寮を見に行きましょう。もうバッチリ準備出来ているので、今晩からでも住めますよ』
「くれてねぇな!!ノーって言わせるつもりなんか微塵もなかったな!?」