第50章 お慕い申し上げておりました
『Peachさんですね』
「YES。まさか正体が、ミスターモモだとは。驚きました」
「ミスターモモって、あの百さんか?
百=桃=Peach って…また安直だなぁ」
「そういえば、一緒に何かのゲームをやってるって言ってたね」
私が、まさかそれほどまでに周りから注目を集めているとは思わなかった。
「とにかくです。彼は、いまワタシ達の目の前にいる男は、ネ申です!!
OH…ずっと、お慕い申し上げておりました。どうかワタシの…ワタシともフレンドになって、もらえませんか」
ナギは、私の手を取って言った。
『…昨今のIpex界は、荒れていると思いませんか?
チーターは、我が物顔で真面目なプレイヤーを刈り。さらには、自分がキルポを稼ぐ為なら平気で仲間を見捨てる者も横行しています。
でも、貴方はそれをしなかった。そのプレイスタイルに、私は感銘を受けましたよ。
六弥さん。こちらこそ、よろしくお願いします。
私やPeachさんと一緒に、チーターや迷惑プレイヤーを排除してくれますか?そして、共により良いIpexを作って行きましょう』
「OH…JUSTICE…。アナタは、やはりワタシの神です。永遠の忠誠を、いまここで誓いましょう」
「…ねぇ、これなに?」
「俺にも分からない、が…。
誰1人として、この一連のくだりに興味ある奴なんかいない。いるわけない。それだけは、俺にも分かるわ」
「MY GOD!ワタシにもう一度アナタの神プレイを見せて下さーい!」
『えぇ、でも、どうしましょうかね』によによ
「何まんざらでもない顔してんだ あんた!」
「もうパソコンの前に座ってるしね」
私は再び前髪を上げる。久々に本気を出してみようか。その為には、やはりアレが必要だろう。
かつて、のめり込むようにプレイしていた時に食べていた、アレが。
『スルメがあれば、もっと良いプレイが出来るんですけどね…』
「ヤマト!今すぐ神にスルメを献上するのです!」
「えぇ…俺が持ってくんのかよ。ったく、台所にあったかなぁ…」
「……スルメとか、食べるんだ…」