第49章 天にぃとラブラブだぁ
挨拶を済ませた紡は、事務所に戻った。編集作業の為だそうだ。
私と天は、そんな彼女の背中を見送りながら話をする。
「お腹空いた。何か食べて帰ろうよ」
『いいですよ。何が食べたいですか?』
「ロケ弁以外なら何でもいい」
そこへ、陸が近寄ってくる。
「天にぃ!この後、オレ達の寮に来るでしょ?!」
「ふふ。なんで来る前提なの?」
「だって、こんな機会なかなか無いし…
オレ、天にぃと話したい事がいっぱいあるんだ!」
迷いを見せる天。私は背中を押す。
『行ってくればいいじゃないですか。また後で迎えに来ますよ?』
「あんたも来ればいいじゃん!」
背後からそう言ったのは三月。その隣には他のメンバーも立っていた。
「飯まだだろ?大目に作ってあるから、2人で食いに来いよ」
「YES!いつぞやは、ミツキのカレーを食べ損ねたでしょう。今度こそ、皆んなでパーティです!」
「おう 来い来い。で、その後は コレな」
大和はそう言って、お猪口を煽るジェスチャーをした。それを見た一織が呆れたように、あなたはそればかりですね。と こぼすのだった。
私と天は、顔を見合わせる。そして、どちらからともなく笑い合って、頷いた。
手土産も持たずに、やって来てしまったアイナナ寮。ここに足を踏み入れるのは久し振りだ。
相変わらず、温かみのある空気で満ちている気がする。
こうやって、普段彼らが共同生活する場所を見ていると、妙案が浮かぶ。
TRIGGERメンバーが、寮生活をしている画を撮っても面白いんじゃないだろうか。今度、TRIGGERといっしょ で、お題の候補して挙げてみよう。
そうこう考えていると、目の前に皿が並ぶ。
三月に、手伝おうか?と声をかける暇さえなかった。
私達は全員、胸の前で両手を合わせた。