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もしもハリポタの女主人公がツイステの世界に来たら

第2章 結成カルテッド


 いくつかの分かれ道を過ぎたとき、はピタッと足を止めた。

「どうしたんだ、?」
「……何かいる」
「えっ!?」

 『それ』は暗闇に紛れ、突然襲ってきた。くぐもった声で何か言葉をつぶやきながら、巨体を振るわせている。
 勘は良いが運動神経の鈍いは、あっさりと攻撃を受けて壁に強く体を打ちつけた。

「!?」
「大丈夫か!?」
「しっかりするんだゾ!」
「ま……まさか、こんなのがいるとはな」

 高々シャンデリアの為に、こんなモンスターがいる鉱山に入学したての1年生を向かわせるなんて……。
 生きて帰れたらあの学園長に一言文句を言ってやらなければ腹の虫がおさまらない。
 殴られた腹を押さえながら、は何とか立ち上がった。

「カエレ……オデノ、イシ……ワタサナイ……」
「何言ってるんだ、あいつ?」
「あっ、あいつの後ろ!何か光ってるんだゾ!!」
「あれは!魔法石だ!!」

 お目当ての魔法石が見つかったと言うのに、こんな番人が張りついていたら、手に入れられるものも入れられない。
 その前に、ここから逃げ出せるかどうかも分からない。

「とにかく魔法だ!みんな、魔法を使って奴の気をそらしてくれ!!」
「んなこと言われなくたって、分かってるっつーの!」
「出でよ、大がま!!」
「オレ様の炎をくらえー!」

 3人の魔法がモンスターに当たったが、全然効いている様子がない。
 ……どうする?このまま一目散に逃げたとしても追いつかれる可能性は高い。
 誰か1人が囮になって、時間を稼ぐか?だとしたら――やはりこれしかない。

「3人とも、よく聞いてくれ。私が囮になるから、その隙に逃げるんだ」
「はあ!?お前自分が何言ってんのか分かってんのか?」
「魔法もつかえない人間を囮になんて出来るか!」
「そうだゾ!下手したら死ぬかもしれないんだゾ!?」
「だからだよ。私が死んでも、悲しむ人間はこの世界にはいないからな」

 わけも分からず、この世界に迷い込んで2日目――。
 もしかしたら、自分はこのためにこの世界に呼ばれたのかもしれない。そう考えたら、迷いは消えた。

「3つ数える。絶対に振り返るなよ!3、2、1――今だ!」
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