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もしもハリポタの女主人公がツイステの世界に来たら

第8章 上昇アテンション


「あっ、!おせーんだゾ!」

 行く当てがなく、仕方なくが運動場に行ってみると、皆が箒で空を飛んでいる中、その下でぴょんぴょん飛び跳ねているグリムがいた。
 グリムが箒に跨れないのは当たり前だが、飛びたくても飛べない辛さはにはイヤと言うほど理解できる。
 自分が医務室でサボっている間、こうして飛び跳ねていたのかと思うと、はチクリと胸が痛んだ。

「おっ!じゃん、具合はもう良いのか?」
「無理するなよ、見学ならバルガス先生に――」
「いや、やる!」

 エースとデュースが声を掛けてくれたが、の腹は決まっていた。
 例え30cmだろうが、飛んでやる。それで笑われようが、グリムと一緒なら構わない。

「グリム!乗れ!」
「よし来た!」

 魔法はイマジネーションの世界。とにかく強くイメージするんだ、グリムと一緒に空を飛んでいる姿を――。
 は軽く地面を蹴って、両足を地面から離した。すると、体が今までに無い感覚で浮かんでいるのが分かった。
 いくら魔力の殆どをグリムに頼っているとはいえ、こうも上手くいくとは思わなかった。

「グリム!飛んでる!飛んでいるぞ!」
「オレ様と一緒なんだから、当たり前なんだゾ!!」

 ドラコの箒の後ろに乗せてもらっている時とは、また感覚が違う。少し頼りない感じはするが、これはこれで心地よかった。
 しかしその高さも雑木林を越え、学校の屋根を越え、更には塔の天辺を越す高さまで来ると、流石に怖くなってきた。
 バルガス先生は足元の方で豆粒みたいになっているし、他の生徒もこの高さまでは誰も上ってきていない。

「グ、グリム……そろそろ下りないか?」
「オレ様、下り方なんて分からねーんだゾ?」
「はあああ!?」

 くっ、やはり獣は獣だったか!!は必死に箒につかまりながら、できる限り声を張り上げて助けを呼んだ。

「バルガス先生ー!エース!デュース!助けてくれー!!」
「下りられないんだゾー!!」
「あっはっは、アイツら元気だなー!」
「まったく、羨ましいくらいだ」

 しかし高度がありすぎてちゃんと声が届かず、ただはしゃいでいるだけだと思われた。なんとか無事に地上に降りられた時には、は今まで以上に箒嫌いになっていたという……。
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