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もしもハリポタの女主人公がツイステの世界に来たら

第4章 ツノ太郎と監督生1


 それから数日後、が夜更かししていると、また階下から物音が聞こえてきた。
 様子を見に階段を降りてみると、テラスの朽ちかけた椅子に座っている例のツノの生えた生徒がいた。
 は悪戯っぽく二イッと笑うと、後ろから彼に向かって声をかけた。

「やあツノ太郎、また来たのか?」
「……ツノ太郎?」
「ツノが生えてるから、ツノ太郎だ。気に入らないか?」

 てっきり機嫌を損ねて出て行くと思ったら、ツノ太郎はくっくっくと喉の奥で笑った。

「良い、良いだろう。その余りある不遜な態度を評価し、僕をその名前で呼ぶことを許そう」
「なんだ、良いのか。つまらないな」

 自分だったら、絶対にお断りだ。
 しかしツノ太郎は存外そのあだ名を気に入ったようだった。以前会った時より優しくみえる彼の目が、そう告げていた。

「では人の子、お前の名はなんと言う?」
「だ。あ、先に言っておくが変なあだ名はつけるなよ?」
「安心しろ、僕にそんな馬鹿げた趣味はない」

 ツノ太郎は指をスッと伸ばすと、不思議な事にテラスの隅で朽ちかけていたもう1脚の椅子が、キレイに直った。
 この世界はマジカルペンを使ってでしか魔法が使えないと思っていたから、それを見たは思わず拍手を送った。

「凄いなツノ太郎!よっぽど魔法が得意なんだな!!」
「これくらい僕にかかれば造作もない。掛けよ、相席を許す」

 この物言い、きっとツノ太郎は良いところのお坊ちゃんか何かなんだろう。
 しかしだからと言って、まるでどこかの王族のような上から目線の喋り方に、わがままお嬢様育ちのがカチンと来ないわけがなかった。

「上級生にこう言うのもなんだが、ツノ太郎は随分偉そうだな。そう言うときは優しく『座って一緒に話そう』とでも言うものだぞ」
「優しく……?僕が人の子に向かって?」
「その『人の子』って言うのも止めろ。さっき名前を教えたばかりじゃないか」

 がイライラしながらそう言うと、ツノ太郎はの顔をじっと見た。
 ガンつけられているのかと思ったは、負けじとツノ太郎から目を逸らさなかった。
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