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もしもハリポタの女主人公がツイステの世界に来たら

第4章 ツノ太郎と監督生1


 は朝が苦手だ。それは低血圧の所為なのか、はたまた夜遅くまで本を読んでいる所為なのかは分からないが、とにかくちょっとやそっとじゃ目を覚まさない。
 例え一瞬目を覚ましたとしても、直ぐに二度寝してしまう、とにかく困った奴だ。

「ほら、起きろ!起きるんだゾ!早くしないと朝食に間に合わないんだゾ!!」

 グリムが肉きゅうでの頬をぺちぺち叩いたが、もちろんそれくらいでは何の意味もない。
 すやすや寝息を立てているに、グリムは布団を剥ぎ取りわき腹をくすぐった。

「ふはっ、ははっ……わ、わかった。起きる、起きるから、ははは、止めてくれ」
「分かれば良いんだゾ。まったく、手のかかる子分なんだゾ」
「お前の子分になった記憶は一切ないんだがな……」

 ボーっとする頭で受け答えながら、は顔を洗って制服に着替えた。
 オンボロ寮を出て、メインストリートを歩きながら、は何度も大きなあくびをした。

「でかいあくびだな、いつも夜更かしし過ぎなんだゾ」
「お前のいびきで眠れなかったんだ」
「嘘なんだゾ、オレ様がトイレに起きた時、お前がベッドにいなかったのは知ってるんだゾ!」
「あ~、あれか」

 グリムのいびきがうるさくて、耳栓を探して寮の中を歩き回っていた時、妙な物音がしたので庭に出てみるとツノの生えた上級生に会ったのだ。
 どうもそのツノの上級生は廃墟マニアらしく、達が来るまでオンボロ寮が憩いの場だったらしい。

「ツノの生えた廃墟マニアに会ったんだ。すぐに消えたけどな」
「ツノの生えた奴?へー、めずらしいんだゾ」
「そうなのか?」

 確かにグリムの言うとおり校内でもあまりツノの生えている生徒は見かけないが、耳と尻尾が生えた生徒ならサバナクロー寮に行けば嫌と言うほど目に入る。
 異世界から来たにしてみれば、ツノも耳も大した違いはなかった。

「そいつ、なんていう名前だったんだ?」
「さあ?名前を聞いたら、好きに呼べって言っていた」
「じゃあツノが生えてるからツノ太郎はどうだ?」

 あまりの安直さに、はその場で大笑いした。
 ちょっと話しただけだが、プライドの高そうな彼は絶対にこの名前を気に入らないだろうと思った。しかし、だからこそ面白かった。
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