第3章 絶叫オールドメイド
しかし仲良しイソギンチャクコンビのエースとデュースが助けに来るのは分かるが、どうしてジャックまで来てくれたのだろうか。
は首をかしげた。
「いや、手伝うって言ったからには……途中で投げ出せねぇし。だから!別に心配したとかじゃねぇからな!!」
「意外と律儀な奴だな、お前も。でも助かるよ、ありがとう」
「本当に助かったんだゾ。こいつ宿がないからって、窓を割って学校に忍び込むつもりだったんだゾ!」
「お前……本当に止めろよ、そういう事」
エースがそれを聞いて、若干……いや、かなり引いていた。
その反面、デュースは何か身に覚えがあるのか、遠くを見ながら物思いにふけっていた。
「そんなに悪い事か?人を騙して寮を乗っ取る方が悪いと思うが?」
「それとこれとは別。お前の善悪の価値基準、ホントずれてる」
「こんな所で話すのもなんだ。僕らの部屋に来いよ、寮長にはもう話してあるから」
「流石なんだゾ!」
「ちょっと待て、『僕らの部屋』ってことは相部屋か!?」
ジャックが驚いた声を出した。そう、一応だがは女。エースとデュースはもちろん男だ。
まあエースとデュースは例え金を積まれたってに手を出す気はないだろうが、流石にちょっと体裁が悪い。
しかし自分達の所為でオンボロ寮を差し押さえられたのも事実。
エースとデュースがその場でう~んと悩んでいると、がこう提案した。
「じゃあ寮の談話室で過ごすのはどうだ?元の世界にいたときは、談話室で夜通しパーティとかしていたし」
「おっ、それ良いな!」
「折角だからジャックも来ないか?私もいるんだ、別に他の寮生がいたって誰も文句は言わないだろう」
「い、いや……俺は……」
「よし、今日は久々に夜通し遊ぶぞ!!」
「おー!なんだゾ!!」
一度決めたらどこまでも突っ走る4人組は、こうして嫌がるジャックを道連れに、ハーツラビュル寮に向かった。