第2章 センラ
「マジあっつ。かなわんわ」
そう呟いた声が普段よりもずっと低くて、卑しくて。その声を聞くだけで欲情が高まって、思わず喘ぎそうになった。
真っ白な鎖骨にぽつりと映える黒子。引き締まった胸もと。がっしりとした腕に自分よりもずっと太くて長い指。
「脱がへんの?」
やんわりとした声色で疑問を投げかけられる。しかし、彼のギラついた視線から本音が伝わるようだった。「はよ、脱げや」そう、乱暴に吐かれた気がした。
職場から支給された家政婦専用のポロシャツ。インナー用のキャミソール。ミントグリーンの、淡いパステルカラーのブラジャー。
ひとつ、ひとつ自分ではぎ取る。あらわになった膨らむ胸もとを彼の視線が貫く。
見られている。彼の、猛獣のような荒々しい眼差しが、自分をみている。
その熱気にあてられて、欲情が更に加速する。センラさんの体温をはやく感じたい。さわりたい。さわって、ほしい。
上半身だけ裸になった状態でたまらず彼に腕を伸ばした。脇の間に滑り込ませて、その広い背中を抱きしめる。互いの体温がダイレクトに伝わった。直接、皮膚同士がふれあう感触があまりに気持ちよくて体をよじった。
その時、太ももがゆっくりと開かされて、下半身の最も敏感な部分に硬いものが当たる。擦りつけるように、強く押しつけて上下に動き出す。
指でなぞられて、感度が増した部分に更に刺激が加われば少しの動きですぐに達してしまった。しかも、充てられているのが彼の最も敏感なところだと思えば、その動きにあわせて低く唸るような息づかいが聞こえたら、ますます気持ちがたかぶる。結果、立て続けに頂点へと誘われた。
まだ、下は服を身につけている状態だというのに。これを生でされたら、どれだけの快楽が襲うのだろうか?
想像するだけで身震いがする。続けて、二度達した後ベッドに沈みながら荒ぶる鼓動を抑えるため、深呼吸をした。