第1章 あほの坂田(となりの坂田)
「えぇやん。互いにイった顔、見せ合いっこしよ?」
嫌だ、という感情を私は全面的に押し出した。のに、どうやら彼はそれを見なかったことにするようだ。
正常位で本格的に腰を動かす。それは嬲るように、酷く乱暴に。あちこちに淫棒を打ち付けられて、膣壁が無理矢理に押し広げられる。その度に甘美な刺激が内側からはじけた。
「ひぁッ…あっ、あぁ!そんな、激しぃ…の」
「ッ…すきっ…やろ?」
息を乱しながら、途切れ途切れに彼が話す。坂田さんもイク寸前なんだと、その表情でわかった。
「っぁーー、いっ…きそ…」
互いに激しく揺られながら、そう絶頂へのカウントダウンをはじめた彼の手が私の頬をなでる。顔を見やすくするために支えているようで、恥ずかしい。
みられている、淫らにあえいでいるところを、彼に。
そう思えば思うほど、感度が増す。声が、でてしまう。
そのまますぐに私は昇天に達した。搾り取るように膣内が締められ、彼も高くて甘い喘ぎと共に体を痙攣させる。
白濁液が自分の中に流れこんでくるのがわかる。
ようやく、終わった。
そう思ったのに。敏感になったままの膣奥に自分の欲望を流しこみながら、彼の抽送はまだ止まない。
二回、三回、四回。
「ぁ…ッ、あっ、ながッ……ぃ、よぉ。なんっ、で?」
「…ッはぁ、なんや。香澄のイク顔みてたら、止まりそうにないわ」
「ぁぁっ、やッ…だめぇぇ!おっきく…なっ、ちゃ…」
自分の中でどんどん彼が大きく硬くなっていくのがわかる。白くドロリとした精子と自身から溢れ続ける愛液を彼の肉茎がかき混ぜて、ローションのように滑りをよくする。そうすれば、益々彼の欲は剛直さを増して本格的に二度目の交わりを行いはじめた。
「おねっ…がぃ、アッ…あぁぁっ!こんなッ、ずっと、されたら…こわれちゃ…」
泣きながら、震える声で必死に懇願する。
体を何度もひくつかせながら、なにか、彼の行動を止めるものはないかと周囲を見渡した。
開きっぱなしのドアからみえる、廊下に置き去りにされた自分のカバン。その中が僅かに光っている気がして思わず叫んだ。