第2章 センラ
「あー。こらあかんなぁ。クリトリスさん、いじられすぎて真っ赤に腫れとるやん。これ辛そうやなぁ。消毒せな…」
「ヤッ、やだっ!そこ…ッぁぁぁっ!ベロ…ぐりぐりッしないでぇ!」
消毒、なんて。名ばかりだ。ぱっくりと大口あけて、食べるように突起部分を含む。舌で突いて、まさぐって、いじくりまわす。
絶頂しても、更に過敏になったそこに吸いついて離れてくれない。舌で転がされて、あまりの感度に涙が溢れた。
「あぁぁ、ぁ…もぉ…いゃ、なの。それッ、ずっとなめ、るの…やめッ」
言葉途中でまたイッて。泣いて。イって。
震えながら、本格的に泣きじゃくればやっと彼が私の声を聞いてくれた。
もう、いきたくない。としゃっくりをあげながら訴えれば情けないほど困った顔をして、センラさんは私を抱きしめる。
ごめん、ごめんなさい。と小さく、彼が謝った。
「ちょっとだけ自分語りしてもえぇかな?」
落ち着きを取り戻した私の頭を撫でながら、静かに問いかける。頷いた私を確認して、どこか懐かしむように話しだした。
「まだ、浦島坂田船がここまで有名やなかった頃はな、普通に恋愛出来とったんよ。こっそり彼女とかも作ったりしてたなぁ」
それはきっと彼にとっては大切な、幸せな思い出なのだろう。話す時に嬉しそうな優しい顔をしていた。
「んでな、段々知名度が上がって有名になると雑誌の表紙飾れるような綺麗な子や映画で主役はれるほどの可愛い子がようさん自分のところに集まってくるようになったんよ。俺が今まで付きおうてきたのは普通の、リスナーと変わらん。ほんまに普通の子たちやったから。はじめはめちゃくちゃ浮かれたし楽しかったんやけど…」
だんだんと沈みだす声色に低くなるトーン。不安になって抱きしめられた彼の腕に自分の手をのせた。