第2章 センラ
「え?あ、あれ?ほんまにそうやったん?」
さきほどのキスは彼なりの冗談というか。軽口を叩いただけらしい。
したい。
さっき、キッチンで中途半端にさわられて体がうずいている。しかし、朝から膣内に感じる違和感がずっと気になっていた。
彼のモノは人よりもデカい。それを挿れられて繰り返しねじ込まれた日は暫く中に彼の欲が残っている感覚があるのだ。
普段なら行為は一度だけだし。次会うまで一週間ほど期間があく。それまでに普通に回復するのだが、今回はほんの数時間前に体を重ねたばかり。
さっき、指一本で飛びそうになるほど気持ち良かった。いつもよりも中が過敏になっているのは明らかだ。さて、どうしたものか。
もやもやと考え事をしながら無意識に私はセンラさんの耳元に顔を近付ける。
彼の体臭が嗅ぎたくなった。愛用している香水でも、あのお高そうなシャンプーの香りでもなくて。
彼自身の匂いが、欲しい。
耳の裏側へ。香りを求めて、そこを舌で舐めとる。
「あッ、はぁ…なにすんの?ほんとに」
甘い、高い喘ぎ。吐息。それを聞けばゾクリとした刺激が背中に駆け上がる。
「一瞬でちんちん勃ってもうたやん」
…今なんか聞いちゃいけない単語をこの良い声で聞いたような。
少しだけ彼と距離をとって表情を確認する。私と視線があったセンラさんはフッと笑った後にその長い指先でおでこの丁度下ら辺をつつく。
「そんな眉間にシワ寄せとったら、あとがついてとれんくなるよ?」
私の眉間に皺が寄ったのはキミの下ネタ発言が原因なのだが。
「頭痛、まだひどいん?」
「いえ、もうほとんどないです。良くなりました。ありがとうございます」
頭を下げてお礼を言えば、彼は徐に一度開かれた距離を詰めだした。少し強めに、強引に肩を引き寄せてふわりとやんわりと笑みを浮かべながら顔を近付ける。