第2章 センラ
「まぁ、ヨダレまで好きなんてよっぽどやない?え?なに?そんっっなに好きなん?俺のこと。なんやねーん!どんだけ好きなぁん?俺のこと」
若干ねちっこい声色で意気揚々とまくし立てている。思わず顔を上げて彼の表情を確認した。
ニヤついている。それはそれは嬉しそうに。楽しそうに。全身全霊をかけてニヤついている。
(なんか…もう、いいや。なんでも)
安心して、心地良くて。そうすれば眠気が襲ってくる。ゆっくりと、意識が薄れていく。
「なぁなぁ?俺のどこが好きなぁん?ほらほらぁ!言うてみぃてぇ!…あれ?香澄?寝ちゃうの?うそやぁ!起きてぇ〜!まだ俺のどこが好きかいうてないよぉ〜?小一時間はたっぷり褒めてもらわなぁ!ねぇ〜!き〜か〜せ〜てぇやぁぁ!」
まるで母親に新しいゲームソフトをねだる小学生男子のような。そんな声を最後に私の記憶は途切れた。
※※※
センラさんの匂いに包まれた布団から抜け出せば、その振動でズキズキと頭が痛む。完全に二日酔いをしているみたいだ。
スマホで時刻を確認するともうお昼をすぎようとしていた。隣にいたはずの彼の姿はなく、ゆっくりと服を身につけて寝室を出た。
洗面所で顔を洗って歯を磨けば、スッキリとしてなんとなく頭痛も和らいでくれたような気がする。
シャワーを借りる為に一声かけようとセンラさんの姿を探す。キッチンでなにやら料理をしている姿を発見した。
「おはよぉさん。起きたんやね。二日酔いとか平気なん?」
「頭、少し痛いです。あの、シャワー借りてもいいですか?あと、着替えありがとうございました」
日の光が当たれば、彼のTシャツにパンツのみのこの姿が改めて卑猥に感じる。早く着替えたくて太ももをよじればスリッパを徐に脱いだ彼の足先がこちらへと伸びる。
太ももと太ももの間に入りこめば、くるぶしほどの短い靴下の感触がくすぐったい。そのまま上へ上へとあがっていき、足の親指が恥核に触れる。敏感な突起部分をグリグリと刺激された。
「やっ…ッあ。ッひ…ぁ、あぁ」
弄られるたびに体が揺れて、足に力が入らなくなる。キッチンに捕まりながら、必死に巡る快楽に耐えた。
「なぁ、知っとる?男もんのパンツってな、前が開いとるんとそうでないんがあるんよ。別に使わんから俺は前閉じ派なんやけど、これは窓ありみたいやね」