第2章 本丸での新生活ですよ。
「ちょっと…広く、ないですか?」
「これから多くの刀剣男士と生活していくための畑ですから、
これでも小さいくらいです」
おそらくは、学校のグラウンド二つ分程度の広さだろうか。
依織が想像していたのは、田舎のおばあちゃんの家の庭にあるようなこじんまりとしたものだったがそれは打ち砕かれた。
もう土は整っているとのこと。
「いよおおし!やるぞおおおお!まんばくん、一緒に頑張ろうね!!」
「…ああ」
動きやすい格好の方がいいとこんのすけが言うので、畑へ来る前にジャージに着替えてきた。
審神者の服装は特に規定がないので、各々自由な姿で生活しているらしい。
畑仕事とかするんだったらジャージのままでもいいかもしれない。
山姥切を見ると、彼もジャージ姿。
しかし、すでに所々汚れてるようだった。
(そういえばさっきの格好も少し汚れてたような…)
「まんばくん、服汚れてるみたいだから畑仕事終わったらさっきの服と一緒にジャージも洗っちゃおうね」
「必要ない。写しの俺には、汚れているのがお似合いだ」
彼はもしや「こじらせている」のだろうか。
さっきも確か「写し」っていうワードを出していたのを思い出す。
「そういうの私は気にしないって言ったのになー」
と、思わず頬を膨らませてみせるが山姥切は無反応。
コンプレックスっていうのは、そう簡単に払拭できるものでもないのはよくわかっていた。
「じゃあ洗いたくない?」
「いい」
「被ってる布も取りたくない?」
「必要ない」
何を言っても拒否されてしまう。
一応主だけど、だからって主命とかで縛るのは良くない。
「……わかった。それなら仕方ない……」
俯いて肩を震わせている依織の様子に、さすがの山姥切も少し驚いたような反応をした。
それはこんのすけも同じようで。
「あ、審神者どの、あの落ち着いて—」
「まんばくんがその気なら私は…!!」
そう言って、傍に用意していた鍬をがっと掴んだ。
「土いじりしまくってやるうううううううう
うおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
今の依織はおそらく、相当目が血走っていることだろう。
(審神者に対する信頼を得るには、審神者自ら動くのが一番!
めざせ一番!!服が汚れようが関係ない!!!)
叶えよう本丸で見事なハーヴェストを!