第3章 運も実力のうち…だそうです。
それから、緩やかにだが時は過ぎていった。
毎日共に畑仕事に精を出し、馬の世話をし、時として過去へ出陣し、失敗しながらもご飯を作って食べ、共に眠り…
「……で、これですか」
久しぶりにやってきたこんのすけが目にしたのは、本丸に広がる立派な畑。
そしてそこに実る数々の自然の恵み。
最初の何もない真っ新な更地のようだった畑が嘘のような変貌を遂げていた。
「いや~、ここって霊力の影響なのか普通より野菜とか驚くほど育つの早いよねー!早すぎて熟しすぎたり枯らしちゃったりして大変だったわぁ」
来たばかりの少しやさぐれていた人間と同一人物とは思えない程、輝く笑顔でこんのすけを迎えたこの本丸の主。
手拭いを首にかけ、日よけ用の帽子を被り土にまみれたジャージはもはや年期が入ったように見える。
「どうよ?立派なもんでしょ?正直この短期間でここまで行けるとは思わなかったわ…まだまだ改善が必要だけどね」
そこへ同じく土にまみれて主以上に汚れている山姥切がひょっこりと出てきた。
「主、この間きゅうりと大根を漬けていただろう?そろそろいい頃合いじゃないか?」
「そうだね!ちょうどよかったこんのすけ、うちの本丸産の漬物なんだちょっと食べてっt」
「なにやってんですかあんたたちー!!」
甲高いこんのすけの声が本丸に響く。
一人と一振りはお互いに顔を見合わせると、不思議そうに管狐に視線を移す。
「何やってるって」
「畑仕事だが…?」
「あなた達は歴史を守る為に戦ってるんですわかってますか!?」
「まんばくんにはちゃんと出陣してもらってるし。…あ、まんばくん、このキャベツで今度回鍋肉でも作ってみようよ」
「あんたまた炭にしそうだな」
「いやだなぁ、そこは加減しますってアハハ!」
「アハハじゃないです審神者どの!わたくしが言いたいのはそれだけじゃありませんっ」
こんのすけはその場でモニターを展開させると、データを表示する。
それはこの本丸の情報だった。
戦績や日々の日課の記録など様々なものが表示されていた。
「確かに、本丸の生活には大分慣れたようにはお見受けしますが…」
こんのすけが記録の中の一つを、拡大させるとそれを突きつけるかのように彼女の前に表示させる。
「わたくしがここは離れてから三月…あなたの本丸は戦力が増えていない…鍛刀がされてないのです」
