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刀剣乱舞 常勝の君異聞録 第一本丸編

第2章 本丸での新生活ですよ。


あの後結局二人して眠ってしまい、起きた時には陽が沈みかけていた。

「すっかり寝ちゃった。まんばくん、体は?」

「問題ない。寝る、というのはいいものだな」

「そっか…今まで刀の姿だったからお布団で寝るのも初めてだもんね。これからは毎日寝ることになるからね」

人の姿になったとはいえ、全てが初体験であろう山姥切。
これから人の生活を教えるのかと思うと、不思議な気持ちになる。
次に何をするべきかと考えると、ポンと手を叩いた。

「そうだ、次の出陣に備えて用意しておかないといけないものがあった。まんばくん、ちょっと一緒に来て」

山姥切は頷くと、黙って依織についてきた。
今ではすっかり布を被り、時折そこからわずかに顔が見える程度になっていた。
うっかり眠らなきゃよかったと少し残念に思ったが、四六時中あんなイケメン顔直視は流石に心臓に悪そうだ…とも思う。


やって来たのは時間跳躍の祭壇とはまた別の紋様が描かれた部屋。
少し大きめの神棚のようなものが置かれている。
その前にある三方の上には複数の無色の玉が鎮座している。

「そろそろお腹が減る頃だと思うんだけど、もうひと頑張りだよー!」

「腹が減る?…すり減るのか?」

「是非ともすり減ってほしい私のお腹!…いやそうじゃなくて、多分その内わかるよ」

依織は三方の玉を一つ取ると山姥切の所へ持ってくる。

「今回の戦は急だったから無理させちゃったけど、次にそうならない為に守りを増やすの。この玉にそれを宿します。これは近侍のお仕事だから、覚えてやってね」

「わかった」

「お手本として私が力を注ぐからまんばくんは玉の色が黒くならないように念じてて。玉に触れて…」

依織が持っている玉を、山姥切が支えるように触れる。
無色の玉は淡い光をたたえていたが、やがてその光が増していき玉の色が銀色に変化していった。
と思うと、徐々にくすみ始めて黒くなっていく。

「あらっ…これはやっちまったかも…」

そう言った依織の様子を見て山姥切は思わず玉ではなく、玉を支える彼女の両手を包み込むように支えた。

「ヒョッ!」

驚いた依織はその拍子からか、玉に注いでいた力の調節を誤ってしまった。
直後、眩い光が部屋中を満たし…後に残ったのは玉が消えた空の手と呆然としている一人と一振りだった。
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