• テキストサイズ

それでも私はかの君を愛してる【twst・ハリポタ】

第6章 赤の王がその名を汚す


「今は何も考えなくて良い。
…寝てろ」
状況が把握出来ずにガバッと身を起こそうとするリドルを、トレイが制した。
その声はまるで兄が弟に諭すかのように、やさしげだ。


「あーっ!
そうやって甘やかすからちょっと怒られただけで暴走とかするんすよ。
庭はメチャクチャだし、こっちもヤバいとこだったんだからな!」
トレイに甘やかされるリドルを目の前に、エースは腰に両手を当ててぷりぷり怒っている。

「確かに、スノー先輩が来てくれなかったらヤバかったな」
同調したデュースは、黙々と庭を修復するスノーをちらりと見た。
リドルが目を覚ましたことに気づいてはいるのだろうが、スノーはこちらに来ようとはしなかった。

トレイの腕の中で、ぽつりぽつりとリドルが言葉を漏らす。
「…僕…本当は、マロンタルトが食べたかった…
薔薇は白でも良いし、フラミンゴもピンクで良かった。
お茶に入れるのは角砂糖より蜂蜜が好きだし、レモンティーよりもミルクティーが好きだ。
みんなと食後のお喋りだってしたい。」
タガが外れた子供のように吐き出すリドルの肩が震える。

「リドル?」

「ずっと、もっとトレイ達と遊びたかった...
本当はスノーにも名前で呼ばれたかった…
ぅ、ぅぅ...ううっ...わぁぁぁぁん!」

スノーを見ていたデュースは、その肩がビクリと跳ねたのを見逃さなかった。
困ったように眉根を寄せるその顔を見逃さなかった。

/ 124ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp