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それでも私はかの君を愛してる【twst・ハリポタ】

第6章 赤の王がその名を汚す


意識を失い倒れ込んだリドルにトレイとケイトが駆け寄った。
後のことは彼らに任せておけば安心だ。
失神こそさせたものの命に別状はないはずだ、じきに目を覚ますだろう、とスノーはふわふわと飛んだまま思案する。

スノーは改めて下を見回した。
焼け焦げた薔薇に、ツルの伸びた薔薇。
いつもの美しい庭園とは大違いの惨状に、おやまぁ、と小さく呟いた。
リドルの事も心配ではあるが、自分はこの惨状をなんとかしようか、と考えていた時だった。

「スノー先輩!」
下から1年生達が手を振っている。
きっと無邪気な彼らは、スノー先輩強い、くらいにしか思っていないのだろう。
スノーは手を振り返しながら、トレイとケイトに視線を向ける。
あの2人は3年生だ。
目の前の異常な光景に気づかないほど馬鹿ではない。
スノーが躊躇なくリドルを攻撃したことも、スノーがこういう事に慣れていることも、気づいたに違いない。
怖がられるだろうか。
それとも恐れられるだろうか。
もしそうなったら、それはそれで少し寂しいな、と思いながらスノーは苦笑した。
そんなスノーの様子には気づくことも無く、トレイは必死にリドルに呼びかけ肩を揺さぶる。

「皆さん、無事ですか?」
戻ってきたクロウリーの姿を捉えると、スノーは庭の隅に降り立った。
彼らの会話には混ざらずに、柵を直すべく杖を振る。
クロウリーがリドルの脈を計っているのがチラリと視界の端に映る。
皆がリドルを心配して取り囲む中、スノーは黙々と杖を振る。

「リドルーー!」
「っは…!?」
「あ、目ぇ開けた!」
しばらくしてリドルが目を覚まし、わぁ!っと彼らが盛り上がる。
失神呪文で死なれては困る…なんて思いながらも、一安心したスノーはふっと頬を緩めた。

「ハァー…マジもう起きなかったらどうしようって超焦った

ケイトが情けない顔でリドルに笑いかけると、一同が揃ってうんうん、と頷いている。


「はぁ…はぁ.…僕は…一体…」

「良かった。
正気を取り戻していますね。」

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