• テキストサイズ

それでも私はかの君を愛してる【twst・ハリポタ】

第6章 赤の王がその名を汚す


我を失ったリドルの魔法で、庭の薔薇がエースに襲いかかる。
エースはゾクリと背筋が震えた。

リドルの本気を肌で感じた。
死ぬかもしれない。
その恐怖に思わず目を瞑った。

だがいつまで経ってもその痛みはおとずれない。
エースはうっすら目を開けた。

「...あ、れ?生きてる?
なんだこれ、トランプ?」

目前に迫っていた薔薇は全てトランプへと変わり、地に落ちる。
トレイのドゥードゥル・スートによって上書きされたリドルの魔法は、エースに届くことなく散っていく。
何度も何度もエースを攻撃しても、全てを上書きされていく。
それがさらに彼を暴走させた。


荒れ狂うリドルのマジカルペンが、魔法石が黒くくすんでいく。
リドルを見る寮生の目が、化け物を見るような目になっていく。
リドルよりもトレイの方が強いのではないか。
そんな目で寮生が見てくる。


「キミも僕が間違ってるって言いたいの?
ずっと厳しいルールを守って頑張ってきたのに!
いっぱいいっぱい我慢したのに!
僕は..僕は...信じないぞ!
僕は..僕こそが!
絶対、絶対に正しいんだッーー!」

叫んだ言葉は誰に向かってだったのか。
誰に肯定して欲しかったのか。


「リドルーーッ!」
トレイの悲痛な叫びは届かない。
魔法石が真っ黒に染まっていくのを、ただただ見ていることしかできなかった。
皆様が見ている前でリドルの体は黒いモヤに包まれていく。
そして再び見えたその姿は、変わり果てていた。

/ 124ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp