それでも私はかの君を愛してる【twst・ハリポタ】
第6章 赤の王がその名を汚す
殴り飛ばされた頬に手を当て呆然とするリドルに、エースがつらつらと言葉を吐き捨てる。
「子供は親のトロフィーじゃねーし。
子供のデキが親の価値を決めるわけでもないでしょ。
お前がそんなクソ野郎なのは親のせいでもなんでもねーって、たった今よーく分かったわ!
この学園に来てから1年、お前の横暴さを注意してくれるダチの1人も作れなかった、てめーのせいだ!」
「何...を、言ってるんだ?」
エースの言葉にリドルの視界はぐらりと歪んだ。
「そりゃお前はガッチガチの教育ママにエグい育て方されたかもしんないけどさ。
ママ、ママってそればっかかよ!
自分では何も考えてねーじゃん!
何が赤き支配者だ!
お前は魔法が強いだけの、ただの赤ちゃんだ!」
「赤ちゃん...だって?
この僕が?
何も知らないくせに...僕の事何も知らないくせに!」
「あー、知らないね。
知るわけねぇだろ!
あんな態度で分かると思うか?
甘えてんじゃねーよ!」
たかだか1年生にケンカを吹っかけられただけだ。
それでもエースの言葉はリドルの不安を、気にしている部分を大きく抉る言葉だった。
「友達ならいるじゃないか!
トレイだってケイトだって、スノーだって!」
色々と言われても、引っかかったのはその言葉だった。
ひとりぼっちの昔の僕じゃない、そう信じたかった。
「トレイ先輩もケイト先輩も、お前の顔色を伺ってるだけでダチじゃねーよ!
スノー先輩だって、お前の事だけ同じ学年なのにファミリーネームに先輩つけて呼んで、明らかに距離取られてんだろーよ!」
エースの言葉が大きくリドルの心を抉った。
呆然とするリドルに、外野のヤジが容赦なく飛んだ。
今まで言えなかった不満をここぞとばかりに便乗して投げかける。