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それでも私はかの君を愛してる【twst・ハリポタ】

第6章 赤の王がその名を汚す


決闘はあっけなく終わった。
ものの数秒でリドルのオフ・ウィズ・ユアヘッドが華麗にきまり、エースとデュースは敗北の屈辱に顔を歪ませる。

「フン、五秒もかからなかったね。
その程度の実力で、よくボクに挑もうと思ったものだ。
恥ずかしくないの?
やっぱりルールを破るやつは、何をやってもダメ。
お母様の言うとおりだ!」

つまらなさそうに、見下すように吐き捨てるリドルに、2人の顔がさらに歪む。

"でも大前提としてルールがおかしいのなら…"

デュースの頭にスノーの言葉がよぎった。

「くっ...確かに、ルールは守るべきだ。
でも無茶苦茶なルールを人に押し付けるのはただの横暴だ!」

優しいスノー先輩。
一晩中エース達の愚痴を聞きながらもリドルを庇い続けたスノー先輩。
その時の悲しそうなスノーの顔が脳裏にこびりついていた。

「はぁ?
ルールを破れば罰がある。
そして、この寮ではボクがルールだ。
だから、ボクが決めたルールに従えない奴は、首をはねられたって文句は言えないんだよ!」

「そんなのは間違ってる!」


「間違いかどうかも、ボクが決めることだ!
そんな簡単なルールにも従えないなんて、キミは一体どんな教育を受けてきたの?
どうせ大した魔法も使えない親から生まれて、この学園に入るまで録な教育も受けられなかったんだろ。
実に不憫だ」

ルールが絶対のリドル。
彼の言うことは間違いではない、というのはわかる。
それでも彼らは納得がいかなかった。
人の話を聞こうとしない、見下した態度のリドルに腹が立った。

「テメェ...!」

「ふざっけんなよ!」

堪忍袋の緒が切れたエースが大きく振りかぶり、リドルの頬へと拳を沈めた。
バキッという鈍い音と共に、リドルの体が大きくぐらつく。
寮長を殴るという横暴に、辺りはザワザワと騒がしくなる。

「あー、もういい。
寮長とか、決闘とか、どうでもいいわ」
騒がしい空間に、気だるげなエースの呟きがやたらとはっきりと聞こえる。

「痛...え?僕…殴られた?」


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