それでも私はかの君を愛してる【twst・ハリポタ】
第6章 赤の王がその名を汚す
オンボロ寮に戻れば、あからさまに項垂れた1年生達に出迎えられスノーは苦笑いを浮かべた。
「とりあえずね?
着替えてくるからちょっと待っててくれる?」
いつまでもドレス姿で居るのはさすがに疲れる。
これから育ち盛りの少年達に食事も作らねばならないのだから、とスノーは自室で素早く着替えて談話室へと向かう。
「さて、少年達。
言い訳はあるかしら?」
困ったように笑いながら彼らに問いかけてやれば、おずおずとエースが口を開く。
「スノー先輩が庇ってくれてたのに、台無しにしちまってすみません。
でも俺、やっぱり納得いかねーっつうか…なんというか…
あんなルールおかしいっしょ、って思います」
言葉を選びつつゆっくり思いを吐露するエースの頭をポンポンと撫でてやる。
「そうね。
理解出来ないルールがいっぱいよね。
じゃあ私から質問。
ルールを守らない事はいい事かしら?」
彼の気持ちを刺激しないように、ゆっくりと話を続けていく。
「それは…もちろん良くないこと…だけど」
「そう、良くないことよね?
ルールというのはね、これは良いだろう、なんて甘い判断をすれば、じゃあこっちも良いだろう、になって崩壊してしまうものなのよ。
だから、ローズハート先輩の判断はあながち間違ってないわ。」
「でも…!」
「よくお聞きなさい。
でも大前提としてルールがおかしいのなら、話が変わってくるわよね?
じゃあそれは誰が悪いのかしら。
大昔の法律を、何も新しくせずにそのまま使っていればそりゃあおかしなことになるわよね。
本来なら時代に合わせて変えていくべきよね?」
「確かに…」
「それが出来てないのは、ハートローズ先輩のせいかしら?
歴代の寮長がいい加減なことをしていたり、今も誰も改変を言い出さないからそのままなんじゃないのかしら」
本当はマロンタルトを食べたくて仕方なかったであろう小さな友人を想いNAME1#はエースをなだめ続けた。
何度も何度も、リドルを守り続けて夜はふける。