それでも私はかの君を愛してる【twst・ハリポタ】
第2章 捕らわれ堕とされる
「STAYだ仔犬」
「おやまぁ…クルーウェル先生」。
見つかってしまった。
学園長が探しているということは、この男が探しに来ることなんて分かりきっていた。
だからお茶会も終わったし、ちゃちゃっと片付けてとんずらするつもりだったのだ。
タイミング悪く逃げる前に見つかるなんて、少しのんびりしすぎたかもしれない。
「その顔だと俺が来るのがわかったいたようだな」
Goodgirl!と満足気な顔をするこの男は嫌いではない。
「ハートローズ先輩からチラッと聞きましたよ、でも入学式とかめんどくさい所には行きたくないんですけど」
スノーはポケットの中の杖を撫でながら、クルーウェル越しに空を見る。
今日は非常に良い天気だ。
「お前ならそう言うと思ってはいた。
だが学園長命令だ、大人しくついてこい仔犬」
抜けるように青い空は気持ちよさそうだ。
「イヤです」
そう、実にクディッチ日和である。
"アクシオ ニンバス"
杖を早抜きして呪文を唱えれば、相棒が猛スピードで飛んでくる。
いや、突っ込んでくると言った方が正しいだろうか。
スノーは突っ込んできたを片手で掴むと、勢いそのままに空へと舞い上がった。急上昇する箒に片手でぶら下がりながら、下を見れば見上げるクルーウェルと目が合う。
不適切な笑みを浮かべ、冷たい目はあまりにも扇情的にみえて、スノーの背筋をぞくりと震えさせた。
「追いかけっこか、鷹狩か、今日はどちらをご所望だ、駄犬め。
クルーウェル様直々に躾直してやろう。」
狩られるか、逃げ切るかの楽しいお遊びの始まりだ。