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それでも私はかの君を愛してる【twst・ハリポタ】

第6章 赤の王がその名を汚す


「ハートの女王の法律・第562条。
なんでもない日のパーティーにマロンタルトを持ち込むべからず。


リドルのお説教がエースに炸裂する中、トレイとケイトがちょこちょこっとやってくる。

「あちゃー。こりゃヤバい…
トレイ君、スノーちゃん、知ってた?」

「俺が暗記出来てたのは第350条までだ。
完全に油断してた。
タルトの種類にまでルールがあるなんて…」

「もちろん知ってたわよ…
どうするのよこの状況、完全にあの子達が可哀想なことになってるわよ」

ヒソヒソと話す3人の横で、リドルはたいそうお冠だ。

「マロンタルトはすぐに破棄しろ!
それからこいつらを寮外へつまみ出せ!」

「ちょっと待てよ!
そんな無茶苦茶なルールがあるか!」

今にもブチ切れそうなリドルと、既にカチンときて噛み付くエースの間に、バチバチと火花が散った。

「ローズハート先輩。」

見かねてスノーが口を出す。
ニッコリと微笑みながら、今にもマロンタルトを叩き落とそうとするその手を制した。

「食べ物を粗末にするのはよくないことでしょう?
このマロンタルトには罪は無いもの。
これは私が夜食にいただこうかしら。
ユウ、オンボロ寮の私の部屋に持って行っておいてくれるかしら?」

この騒動に顔を青くするユウに声をかければ、コクコクとうなづいてマロンタルトをサッと下げた。

「寮長、マロンタルトを作ろうと言ったのは俺です。」

「そうそう、まさかそんな決まりがあるなんて思ってなくて」
すかさずフォローにはいるトレイとケイトに、スノーは一瞬その場を任せると、安定のやらかし組に小声で伝える

「一言謝ってからオンボロ寮に戻りなさい。
外泊の申請は取ってから戻るわ。
仕切り直しよ。」

これ以上リドルを怒らせる前に退出した方がいい、そう伝えたつもりだが、火の着いたエースは止まらず噛み付いていく。
触発されたデュースまで噛みつき始めたので、スノーは諦めて天を仰いだ。
トレイとケイトも同様である。
これは確実に詰んだ。
もういくところまで行ってしまえ、の状況だ。

「先輩方…空が青くて綺麗ですねえ。」

「そうだねスノーちゃん。」

「いやぁ…実に同感だよ」

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