それでも私はかの君を愛してる【twst・ハリポタ】
第6章 赤の王がその名を汚す
運動神経のいいフロイドは、とても綺麗にリードしてくれた。
相手がフロイドとはいえ、リードの上手い相手と踊るのは楽しいものだ。
スノーは自分の顔が自然と笑顔になるのを感じた。
So this is love
これが恋かしら
なんてアズールも悪趣味だ。
曲名を知られたらフロイドの機嫌がまた悪くなるのは目に見えている。
まったく、困ったものだ。
ジェイドもキッチリスマホで動画を撮っている。
それはどこに使う気だ、とツッコミをいれたいところではあるが…
目の前の笑顔のフロイドを見ていたら、全部どうでもいいような気がした。
「楽しいねぇ、スノーちゃん」
「そうね、フロイド。」
背の高い彼の顔を見上げるのは少し大変だが、その楽しげな顔を見ているのは気分がいい。
腰を支えてくれる手も、いつもの獰猛さなど微塵も感じさせないくらいに優しげで。
ふにゃっと垂れた目尻がとても可愛らしい。
そんな可愛らしい顔を見せながらも、しっかり筋肉のついた腕はスノーの体をしっかりと支えてくれる。
アクロバティックのリフトだって、仕掛ければひょいっと上げて舞わせてくれる。
その安定感も抜群だ。
アズールの弾くピアノはいつの間にか曲が変わり、メドレーのように終わりなく続いていた。
飽きることなくクルクルと2人で踊り続ける。
息があがるのも気にならないくらいに踊り続ける。
まるで舞踏会で踊る姫と王子のように。
曲が終わったあともじっと見つめ合う2人が、まるで映画のワンシーンのようで。
ジェイドはふふっと笑みを零すと、動画と画像をマジカメにアップした。
#営業前のモストロ・ラウンジ
#ダンスパーティー
#フロイドとスノーさん
#ピアノはアズール