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それでも私はかの君を愛してる【twst・ハリポタ】

第6章 赤の王がその名を汚す


深い緑色のドレスから見える真っ白なデコルテ。
ドレスの裾から見えるほっそりとした足首。
無造作におろされていたプラチナブロンドの髪。
ギュッとくびれたウエストラインは思わず手を伸ばして支えてあげたいくらいに細く可憐だ。

「スノーちゃん…絵本の中のお姫様みたい…」
ポカンとした顔で、フロイドが呟いた。
「これはこれは…」
冷静沈着なジェイドまでもが目を見張る。
アズールのスイーツを作る手も止まり、3人の視線を浴びながらスノーはドレスの裾を摘んでくるりと回る。

「変じゃない?」

言葉を失った3人にくすくすと笑いながら、スノーは首を傾げる。
何せこの前の式典服が初めてのまともなドレス姿だ。
とはいえあの時はローブを羽織っていた。
彼らがスノーの着飾った姿を見るのは初めてに近しい。
珍しいものを見て言葉失う彼らが、とても可愛く感じた。

「お綺麗ですよ、スノーさん」

「フロイドが言う通り、お姫様みたいですよ。」

「お姫様ではないけどね。
お嬢教育は一通り受けてるからけど。」

未だにポカンとしたままのフロイドを横目に見ながら、スノーは2人と会話を続ける。
なんというマヌケづらだろう。
あのフロイド・リーチがポカンと口を開けて目を見開いているなんて。
「お嬢様教育というと?」

「テーブルマナーから社交ダンス、ピアノに歌に乗馬。
貴族のお遊び的な事はひと通り出来るわよ」

「アナタは本当に多才ですね」
アズールもジェイドも、珍しいフロイドの姿に会話をしつつも悪い笑みが浮かんでしまう。
ついからかいたくなるのはスノーも2人も同じなのだ。

「おやフロイド、そんなに口を開けて…
求愛行動はもっと目立つようにやらないと伝わりませんよ?」
「なっ!?」

「そうですよ、フロイド。
そんな控えめなアピールではお姫様は射止められません。」
「ハァッ!?」

「あら、求愛されてたのね。気づかなかったわ。」
「アズール!ジェイド!」

全員から一斉にからかわれたフロイドは、顔を真っ赤に染め上げ叫んだ。
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