それでも私はかの君を愛してる【twst・ハリポタ】
第6章 赤の王がその名を汚す
開店前のモストロ・ラウンジでアイスティーを飲みながら、スノーはのんびりとくつろぐ。
「いいなーアズール。
オレだってスノーちゃんと空のデートしたかったし」
口を尖らせて文句を言うフロイドを眺めながらスノーは恥ずかしがるアズールを楽しそうに見ていた。
ついでだから、今度のマジフト大会の出店でだスイーツの試食をしていけ、なんて言って用意をしている彼は、顔をほんのり赤くしながら厨房に立っている。
「ふんっ…羨ましいでしょう!」
恥ずかしがりながも、ちょっとだけ自慢げに言葉を返す。
「ところでスノーさんの持っているそれは、なんですか?」
グラスを拭きながらひょこっと顔を覗かせたジェイドが、スノーの紙袋を指さした。
あのドレスの入った紙袋である。
「あー、ハーツラビュルのお茶会に行くのにドレスを引っ張り出してきたんだけど…久しぶりだから試着してチェックしてもらおうとおもってたの。」
ヴィル先輩の授業が終わるのを待ってたら空からタコが降ってきたのよーなんて軽口を叩きながら、スマホをチェックする。
ヴィル先輩は今日忙しいみたいだ。
予定を聞いてみたものの、既読にすらならない。
「ねーねー。
じゃあ試食待ってる間に試着すればいいじゃん」
スマホから顔をあげれば、一人サボっているフロイドが、いい事思いついた!と言わんばかりの笑顔。
ふむ…
とスノーはオクタヴィネルの3人を見る。
美的センスが悪い3人ではない。
クラシカルなスタイルなら彼らも着こなしているし、簡単なチェックだけなら任せてしまうのはありだ。
「アーシェングロット、お言葉に甘えても?」
「勿論です」