それでも私はかの君を愛してる【twst・ハリポタ】
第6章 赤の王がその名を汚す
広がる青空、そよそよと吹き抜ける穏やかな風。
そんな居心地のいい中庭だからと、気を緩めていたのが悪いのだろうか。
「まさか空からタコが降ってくるなんて想定外ですよ」
晴れのちタコ。
スノーは空から落ちてきたアズールの下敷きになりながら悪態をついた。
「す、すみません…」
さすがのアズールも申し訳なさが大きいのか、素直に謝罪の言葉を口にする。
いそいそとスノーの上からその身をどけると、罰が悪そうな顔でスノーの顔を覗き込んだ。
「お怪我は…ありますね…」
「身長差を考慮していただければおわかりかと思いますが、無事で済んだら私は人じゃないです。」
日当たりの丁度いい芝生に腰を下ろして論文を読みふけっていたのだ。
突然降ってきたアズールを避けれないのは致し方ない。
そもそもだ。
空から人間サイズのタコが落ちてくるなんて、誰が想定しているだろうか。
バルガスの箒の授業だったのだろう。
運動着で空から降ってきたアズールは、見事にスノーの真上に着地した。
わざと狙ったのかと疑いたくなるレベルで真上に落ちてきた。
体育座りで論文を広げていたスノーの足首は、嫌な音をたてて明後日の方を向いた。
「いちいち言い方が可愛くないですね!
…とはいえ、本当に申し訳ないです。」
一瞬、キッ、とした彼だが、直ぐに眉根を寄せた情けない顔になる。
成績優秀の彼だが、どうも飛行術は得意ではない。
海から陸に上がって生活しているのだ、その上空まで、はなかなか至難の業である。
スノーは自分の左足首に目をやった。
既に腫れがでているが、折れてはなさそうだ。
だがこれはかなりの勢いで捻挫したらしい。
動かさなくてもジクジクと痛む。
「アーシェングロット…
どうやらこれは重症みたいです。」
「すぐに治癒魔法をかけますから、じっとしていてください。」