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それでも私はかの君を愛してる【twst・ハリポタ】

第6章 赤の王がその名を汚す


煮詰まってしまった。
スノーはふぅ…とため息をつく。
パタンと重たい本を閉じれば、肩の周りに重たい疲れを感じる。
時計を見上げれば、お昼休みが終わろうかという時間だ。
ずいぶんと没頭していたらしい。

スノーは各クラスの時間割り表をパラパラとめくる。
生憎ヴィルもリドルも授業があるようだ。
せっかくだから、久しぶりに引っ張り出すドレスの具合を見てもらおうと思ったのだが、授業なら仕方ない。
スノーはクローゼットから深いグリーンのドレスを引っ張り出した。
デコルテ全開に見せながらも、袖元にあしらわれた白いフリルで可愛くもある。
ウエストラインはコルセットで締め上げることが大前提にキュッと細く深いグリーンの色合いを引き立てるような銀刺繍が上品である。
ドレスにあわせるヒールは、シルバーの光沢を全面的に出した、細身のピンヒールだ。
いくらパーティーとはいえ、所詮は学生のパーティーだ、派手なアクセサリーは必要ないだろう。

スノーはドレスセットと論文を手にし、自室からそぅっと仮の自室に移動する。
まずは美的センスがありつつも暇な人を探す所からだ。
もしくはヴィルの授業が終わるのを待つか。

ドレスセットをその辺にある紙袋に畳んでいれながら、スノーは窓から外を眺める。
いい天気だ。
風もそんなになさそうだ。
中庭のベンチで論文の続きに目を通そう、なんてのんびりと考えながら、スノーはオンボロ寮を後にした。
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