それでも私はかの君を愛してる【twst・ハリポタ】
第6章 赤の王がその名を汚す
みんなを送り出して、スノーは自室に戻る。
先日クルーウェルから借りた論文に目を通したい。
ここ最近は学園長からの仕事が多くて、忙しかったのだ。
自分の研究をする時間が取れなくて、焦りが生じていた。
我が君が設置していたポストに、カタンと日刊予言新聞が届いた。
元の世界の情報を得る、唯一の手段だ。
どういうシステムになっているのかはわからない。
ただ毎日新聞が届き、ここに投函すれば通販だってできる。
元々我が君とスノーが身を隠してなが生活していた部屋だ。
何かしら上手い方法で取り引きされているのだろう。
これがこっちの世界に来ても作動していたのは、非常に大きい。
「…ヴォルデモート卿の寵妃スノー氏、最重要参考人として全国手配。
ヴォルデモート卿の記憶を1部共有するハリー・ポッター氏によると、分霊箱の制作時には必ず彼女が寄り添っていたことから、何かしらの関与が想定される。
同氏によるとスノー氏は歳を取るスピードが非常に遅く、その存在には謎が多い…。」
どうやら自分はむこうの世界で大探しされているらしい。
今落ち着いて考えれば、あの時のマルフォイ家の行動は、妥当だったのかもしれない。
そして、それを指示した我が君はよく考えていたのだろう。
元の世界にいれば、追われて生活すらまともにおくれなかったのだろう。
スノーは卓上の写真を見つめた。
昔の自分と我が君が仲良く微笑みあう写真は、幸せそうだ。
早く、早く我が君の復活を…。
スノーはぐっと唇を噛み締めると、論文に向き合った。