それでも私はかの君を愛してる【twst・ハリポタ】
第6章 赤の王がその名を汚す
翌朝はやく、トレイは申し訳無さそうに2人をむかえにきた。
迎えに来たというよりは、着替えを持ってきた、が正しいのかもしれない。
「うちの後輩がすまない。」
「料理の振る舞いがいがあって、楽しかったですよ」
嘘偽りのない本心だ。
久々にワイワイと料理をして、美味しそうに食べてくれて、とても楽しかったのだ。
なんというか、達成感と充足感がある。
「ははは。
確かにあいつらの食べっぷりは見てて気持ちいいからな!」
同じ料理をする者として、トレイが共感するかのように笑う。
「そうそう、リドルから次のなんでもない日のティーパーティーにスノーが来るって聞いたんだが…
ラズベリーパイはその日でいかがですか、お姫様?」
「よくってよ、シェフ。」
「そこはパティシエだろう?」
「おやまぁ。間違いないですね。」
ケラケラと笑っていると、着替え終わった2人がひょっこりと顔を出す。
散々愚痴を吐き出したエースは、スッキリした顔をしていた。
「さて…今日はダイヤモンド先輩にタダ働きさせられないようにね、少年達。」
昨晩の愚痴はどちらかというと、リドルに対する物よりも、ケイトに対してだ。
うまいことタダ働きさせられたのだから、イライラするのもわからなくはないが、騙される方が悪い。
「スノー先輩…!」
クスクスと笑いながらからかってやれば、エースが勘弁してくださいよと言わんばかりの顔をする。
なんて可愛い反応だ、つい遊んでしまう。