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それでも私はかの君を愛してる【twst・ハリポタ】

第6章 赤の王がその名を汚す


おちゃらけた表情をしつつも、内心は腸が煮えくり返っているんだろうな、とスノーはエースを眺めた。
3人と1匹は、あーでもないこーでもない、と議論をしている。
どうやら、リドルに謝りに行ったはいいものの、ケイトに雑用を押し付けられ、挙句の果てにお詫びの品がないからと追い返されたらしい。
うーん、なんともいえず、どんまいだ。

チラッと時計を見れば、なかなかにいい時間だ。
ハーツラビュル寮の門限の時間が何時かはさすがに覚えていないが、このままではまずいだろう。

スノーはスマホでトレイの連絡先を引っ張り出すと、ポチポチと文字を打つ。

お疲れ様です。
エース・トラッポラ
デュース・スペードの両名が
オンボロ寮にいます。
ハートローズ先輩の首輪の件と、
ダイヤモンド先輩の腹黒さで、
エースがかなり熱くなっているので、
クールダウンさせるためにも
今日はこのまま
こちらで面倒をみようと思います。
外泊手続きをお願いします。
P.S.アップルパイ美味しかったです

送信ボタンを押して顔をあげるも、議論は白熱したままだ。
そんな後輩達がちょっとだけ可愛いと思えた。

おそらく直ぐに返信をしてくれたのだろう。
数分でスノーのスマホに返信がくる。

お疲れ!
うちの後輩がすまない。
リドルには上手く言っておくから、
よろしく頼む!
明日の朝、引取りに行く。
P.S.今度はラズベリーパイを焼こうと思う

スノーは思わず頬が緩んだ。
酸味が強めのラズベリーパイは、パイの中でも1番好きだ。

「エース、デュース。」

声をかければ2人がくるっと振り向いた。

「今日はもう泊まっていきなさい」

スノーの言葉に、2人は慌てて時計を見る。
こんなに遅くなっているとは思わなかったのだろう。

「やべっ…!」
「どうしよう…」
門限が、無断外泊が、と慌てる2人に、スノーはクスクス笑った。

「外泊許可はクローバー先輩から下りてるから安心して?
さて、食べ盛りが2人も増えたら食事の用意が大変ね…
手伝ってくれるかしら?」


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