それでも私はかの君を愛してる【twst・ハリポタ】
第6章 赤の王がその名を汚す
スノーが最近常駐しているオンボロ寮は、珍しく賑やかだ。
「オンボロ寮って中はめちゃくちゃ綺麗じゃん!」
「元々はとんでもなくきたなかったんだゾ!」
「全部、スノー先輩が綺麗にしてくれて。」
「さすがスノー先輩だな…。」
どうやら噂の1年坊達が来ているらしい。
自室から出て、お茶でも淹れにいこうかと廊下にでれば、ワイワイと騒がしい。
スノーはひょこっと談話室を覗いた。
残念ながらエースの首には首輪がついたままだ。
「おやまぁ。
少年達いらっしゃい。
紅茶いれるけど飲む?」
別に賑やかなのは嫌いじゃない。
どのみち自室には音が入らないように防音魔法を張ってあるし、気分転換にはちょうどいい。
「お邪魔してまーす」
エースがヒラヒラと呑気に手を振っている。
首にしっかりリドルの首輪をつけられているが、持ち前の明るさは変わらないらしい。
「お邪魔してます、スノー先輩」
対照的にデュースは丁寧に頭を下げる。
困ったような顔をして、エース本人よりも深刻そうな雰囲気だ。
「すみません先輩、うるさくしちゃって…
僕手伝います!」
ユウは安定にいい子だ。
「んーん。大丈夫よー。
座ってなさい。」
スノーが杖を一振する。
キッチンからティーセットがフワフワと飛んできた。
そしてお茶の用意が勝手にされていく。
「スノー先輩って、すごいっすね…」
「よーし、そんな褒め上手なエース少年に乗せられて、お姉さん茶菓子まで出しちゃおうかな」
別に褒められたからという訳では無いが。
スノー自身が、紅茶にはお菓子が欲しいだけだ。
「もしかして…先輩の魔法でコレ、取れたりしませんか!?」
ハッとデュースが声を上げる。
「取れるよ?…首まで取れるけど。」