それでも私はかの君を愛してる【twst・ハリポタ】
第5章 内から抉り出す
「ところでだ、仔犬。
先日の入学式のご褒美がまだだったな。」
長い足で、大股で、それでも優雅にクルーウェルがスノーに歩み寄る。
「俺様が選んだ服を着こなすとは、素晴らしい。
実にビューティフルだったな、仔犬。」
手袋で覆われた指が、スノーの顎を掬う。
目と目があった。
「お褒めいただき光栄です、クルーウェル先生」
スノーは、トクンっと胸が鳴るのを感じた。
ご褒美という響きは酷く甘美だ。
欲望に弱いスノーにとっては、この上なく魅力的な言葉。
ましてや今は明日への期待から、興奮が覚めない状態だ。
クルーウェルは目をそらすことなく、言葉を紡ぐ。
「だがしかし、だ。
リーチ兄弟にお仕置をされて。
入学式の後にはサバナクローの仔犬とお楽しみだったようだな。
それだけ遊べばもうご褒美はいらないな、仔犬。」
唇が触れ合いそうなくらいまで、距離を詰められ、愉悦を孕んだ瞳で弄ばれる。
スノーは背筋をゾクゾクとした快感がのぼっていくのを感じた。
あんな退場の仕方をしたのだ、レオナと一晩を共にしたことなど、鋭いクルーウェルにはお見通しだろう。
傍から見れば単なるビッチだ。
とはいえ、リーチ兄弟のお仕置はクルーウェルが仕向けたことだ。
それを持ち出してくるなんて、酷いでは無いか。
「先生は意地悪です…。」
スノーの唇が言葉を発せば、微かに唇が触れた。
「上手におねだりをしてみせろ仔犬」
クルーウェルの唇が、言葉と共にかすめるように触れる。
寸前のところでお預けをくらっている気分だ。
ジッと見つめあっている瞳に吸い込まれそうになる。
「先生…ご褒美、ください」
勝手に口から言葉が漏れる。
まるでそうすることが当然かのように。
「グッドガール!!
お利口さんだスノー」