それでも私はかの君を愛してる【twst・ハリポタ】
第5章 内から抉り出す
「ごきげんよう」
今にも取れそうな扉を開ければ、中でバタバタと掃除をするユウとグリムの姿。
「ふなぁぁぁあ!
スノー先輩、来ちゃったんだゾ!」
「す、すみません、まだ掃除出来てなくて」
慌てる彼らに、スノーはクスリと笑う。
「別に君たちが汚した訳でもないし、謝ることではないよ。
それに…こんなのは魔法で済ませた方が早いわ」
そんなちんたら掃除が終わるのなんて待てるわけが無い。
さっさと終わらせて、目的を果たしたいのだ。
とはいえ、なかなか年季の入った建物だ。
内装もかなりくたびれている。
スノーはふむ…と悩みながら室内を見回した。
「ものは相談なんだけどおふたりさん。
ガラッと内装から変えてしまっていいかしら?
家具とかも全部変えたいわね。」
装飾品もスノー好みではない。
さすがにこの空間で生活していくのは気が進まない。
それに、いくら修復呪文を唱えたところで物には限度がある。
家具はいっそ全部入れ替えた方がいいだろう。
「え、あの、いいですけど…」
「あぁ、かかる費用は私が全部払うから。」
「それなら願ったり叶ったりなんだゾ!」
スノーはスマホを取り出すと、街の家具屋に連絡をとる。
カタログをオンラインで送って貰うように頼むと、杖を振った。
「スコージファイ(清めよ)」
埃まみれの床や壁がみるみるうちに綺麗になっていくその様子に、
ユウとグリムは目を丸くした。
その様子がなにやら可愛らしくて、スノーはクスクスと笑う。
「ほら、窓を全開にしてきてちょうだい?
空気の入れ替えは普通にやりましょう?」