• テキストサイズ

それでも私はかの君を愛してる【twst・ハリポタ】

第4章 監視し手を下す


陽動をかけつつ、洞窟から引き離す作戦の彼らを、気づかれないようにそーっと見守る。

比較的うまく洞窟から引き離せている。
安直な作戦ではあるが、上手くいっているのは素晴らしい。

マグルが合図を出したタイミングで、小動物が青い炎を吐き出した。
そこにエースの風魔法が加わり、大きな炎へと変化する。
青い炎はぐるりと化け物を取り囲み、その動きを止めた。

「いでよ、大釜!」

足の止まった化け物の頭上に大釜が降り注ぐ。
見てくれは悪いが、まぁ物理的に効果はありそうだ。

化け物の足止め成功した3人と1匹は全速力で洞窟の奥へとかけていく。
そう、倒すだけの威力はない。
せいぜい足止め程度だ。

デュースが洞窟の奥で魔法石を手にしたその時だった。

「サワルナァァァァァ!」
化け物は大釜を押しのけて、今にも自由になろうかという体勢で叫びをあげた。
「うわぁぁぁあ!いでよ大釜!」
その上に更に大釜を降らせるデュースに、ギャグか!それしかないのか!
なんてつっこみたいところだが、そろそろ遊んでいる場合では無さそうだ。

全速力で今度は逃げていく彼らを眺めつつ、スノーは改めて杖を握りしめる。
大釜を押しのけて、化け物が彼らを追っていく。
大切なものを奪われた化け物は、先程よりも速い。

「イシ…カエセェェェェ…!」

生身の人間と、理性のぶっ壊れた化け物では当然体力にも差がある。
だんだんとペースの落ちる彼らのすぐ後ろまで化け物は迫ってきていた。

そして、追いつかれた。
化け物の拳が、1番後ろを走るデュース目掛けてふり上がる。
避ける事は、出来ない。

デュースは軽く振り向きつつもその恐怖をその瞳に写しながら、まるでスローモーションのようにその拳を見ていた。

大きな、凶悪な拳が、迫りくる。
/ 124ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp