それでも私はかの君を愛してる【twst・ハリポタ】
第3章 見せつけ見下す
サバナクロー寮の歓迎会は、なんとも荒々しくも楽しいものだ。
上座に座って悠々とその様子を見下ろすレオナの横には、スノーがこれまた優雅に腰掛けている。
まるで王と王妃のような佇まいに、新入生はもちろん、2人を既に知っている寮生ですら見とれてしまう。
だがしかし、一見優雅に見えるその席は密かな戦いが繰り広げられていた。
「ブッチ、もう食べられないわよ」
「レオナさんの命令ッスからねぇ…」
食べても食べても減らない皿の中身。
これは新手の嫌がらせだろうか。
一生懸命食べ進めれば、どこからともなくラギーがやってきて皿の中身を補充していくのだ。
しかも皿の上にはひたすら肉。
肉は好きだから、さすがに胃がもたれそうだ。
「キングスカラー先輩、もう食べられないです」
「なんだ、口移しで食わせて欲しいのか?」
「さすがに人前でご冗談を。」
「お前が痩せたのに俺が気づいてないとでも思ったのか?
いいから食え。黙って食え。」
有無を言わさないとはまさにこの事である。
確かにココ最近、研究に忙しくて食事すらサボっていた。
そのツケがまさかこんな形で現れるとは、思ってもみなかった。
後で胃薬を飲もう…
本気でそう思う。
「ほら、スノーちゃん、デザートとかどうッスか?」
「ラギー、スノーを甘やかすな」
隣の鬼が恨めしい。
「そんな顔してもダメだ。
俺の感覚的には、そうだな、3キロは痩せたか」
「何を人前で言ってくれちゃってんですか!?」
あながち間違ってないのが怖いところである。
ラギーが生ぬるい目で見てくる。
「スノーちゃん、こうなったレオナさんは厳しいッスよ。
それに3キロは不摂生しすぎっス。」
ラギーに見捨てられた、と嘆きながら、ノロノロとフォークを口に運ぶ。
この後のお楽しみの時間なんて、もう考えられないくらい満腹だ。
とりあえず腹が苦しい。