それでも私はかの君を愛してる【twst・ハリポタ】
第3章 見せつけ見下す
「列を乱すものには遠慮なく魔法を放ちます。
あの哀れな小動物と同じように転げ回りたくなければ、寮長の指示通り並びなさい。」
杖を手に、スノーはレオナのサポートをしていく。
先程の小動物捕獲騒動のおかげか、女だからといって舐めた態度を取る寮生もいない。
びっくりするほどすんなり進む整列に、スノーはチラリとレオナを見る。
レオナとスノーが指示を出す、これははたから見たら単なる恐怖政治ではなかろうか。
力でねじ伏せ支配する、そんな実力主義は嫌いではない。
「スノー」
寮生を整列させ終わったレオナは、スノーを呼びつける。
そして、ヒョイっと肩の上に持ち上げ座らせた。
「うわっ…!高い、高い!」
「箒の方が高いだろうよ。
そのまま後ろの新入生が列を乱さないように見張ってろ。」
なるほど、確かに高いところからの方が後ろまでよく見える。
「承知ですー。」
なんて言いながら、レオナの手がスノーの足首をそーっと撫でる。
恐らく珍しくヒールを履いているスノーを気遣ってくれたのだろう。
なんだかんだこの男は優しいのだ。
「キングスカラー先輩、ありがとうございます。」
「何の礼だかわからねぇな」
フンっと満足気に鼻を鳴らすレオナに、スノーは微笑んだ。
後ろを監視しても、列が乱れる様子は全くない。
「お前軽いな、ちゃんと飯食ってんのか」
「食べてますよ、乳が無くならない程度には。」
そんな軽口を叩きながら寮にむかった。