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それでも私はかの君を愛してる【twst・ハリポタ】

第3章 見せつけ見下す


「オフ・ウィズ・ユアヘッド!」
慌てたようなリドルの声が、小動物の悲鳴に混じる。
床をのたうち回る小動物の首に、首輪がかかる。
それを見届けたスノーは杖を下げた。
横にいるヴィルが苦笑いしているのが、見なくてもわかる。

"クルーシオ".
緩許さざれる呪文のひとつだ。
拷問呪文と呼ばれるこの魔法は、相手に外傷を与えることなく、耐え難い苦痛を与える。
超時間かけ続ければ、精神が崩壊し、廃人になる呪文である。

悲鳴の聞こえなくなった広間では、先程とは違う視線がスノーに刺さる。
恐怖か畏怖か、どちらでもいいが、その視線は嫌いじゃない。

「ひゃー、さっすがスノーちゃん。」

スノーのいる寮長エリアから少し離れた場所にいる、フロイドの楽しそうな声が聞こえた。
そのくらい広間は静まり返っていた。

「オホン…。
綺麗な薔薇には棘がある、私、言いましたよね?
ご苦労さまです、スノーくん、ローズハートくん、アーシェングロットくん。」

スノーは遊び足りないなぁなんて思いながら杖をポケットにしまう。
小動物をつまみ出し、話題はあのマグルの対処にうつっているが、別に興味なんてない。
殺せばいいのに、何を相談する必要があるのだろうか、とすら思ってしまう。

「スノー、アンタさすがねぇ。
これ以上ない虫除けだわ。」

「虫はよけれてもウツボはよけれませんけどね」

「あれはねぇ…諦めなさい」
ボソリと切実な悩みを吐くも、やはりあれは諦めるしかないらしい。
まったく、とんでもない奴らに目をつけられたものだ。

「チートですよね、あのウツボ。
特にクソリーチの方。
いくら攻撃しても、当たらないんじゃどうしようもないですもん」

呪文とは杖先から直線的に放たれる。
いくらスノーの呪文が早くても、対象に到達するまでの時間は距離がある以上0にはならない。
だがしかし、守側は自身を守る歳の距離は0だ。
当然フロイドのバインド・ザ・ハートの方が早いに決まっている。
これがチートでないなら一体なんだというのだ。

「まぁ…あれは確かにチートよねぇ…」

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