それでも私はかの君を愛してる【twst・ハリポタ】
第2章 捕らわれ堕とされる
熱く火照った体に、木陰のひんやり感が心地よい。
快感で力の入らない手足は癪に触るが、この心地良さはなんとも言えない。
フロイドに後から抱きしめられた格好で木陰に腰をおろせば、さも当然のように太ももの上にジェイドが頭をのせた。
いわゆる膝枕だ。
「重い、腹黒リーチ。」
手足に力は入らないものの、頭はだいぶ正常に回るようになった。
「おやおや…相変わらず酷い言い草ですねスノーさん。」
いつもの呼び名だ、特に気にする様子もなくジェイドはのんびりと応えてくる。
「許可なく女の子の膝枕で寝る似非紳士め…」
「むっちりしてて気持ちのいい枕ですよ、スノーさん」
悪びれる様子もなくケロリといつまでのけるこの男は本当は性格が悪い。
そもそも年頃の女の子に、むっちりしてるは褒め言葉ではない。
ちょいちょいイラつく言葉をチョイスしてくるあたりが本当に嫌いだ。
普段は丁寧を心がけている口調も、つい荒くなる。
「後ろのクソリーチも、こっそりセクハラしないで。」
「あはァ、バレちゃったー。
てかスノーちゃん、名前が酷いし」
「お黙り、くそうつぼ」
こっそりと乳に手を伸ばしたフロイドを咎めれば、文句をいいつつもすんなりその手は元の位置に戻っていった。
つかの間ののんびりした時間だ。
「今日は何をやらかして追いかけられてたのですか?」
「入学式の参加拒否」
「あぁ、なるほど…
あなたはそういう行事ごとになるとすぐいなくなりますからね」
「俺もサボりたいのに出るんだからさ、一緒にでよ、スノーちゃん」
「でるでる、クルーウェル先生に捕まったから出ますよー」
くだらない会話をしている時はそれなりには楽しいのになぁ、なんて思いつつも、スノーは視線をさげた。
そーっとスカートに忍び込む、ジェイドの手を眺めながらため息を着く。
こういうことをしなければ、この兄弟もそこまで嫌いじゃないのに。