それでも私はかの君を愛してる【twst・ハリポタ】
第2章 捕らわれ堕とされる
スノーは頭をフル回転させる。
小さくしか聞こえなかったが
あの声はフロイド・リーチに間違いない。
ということは、ジェイド・リーチといるはずだ。
フロイド・リーチとは相性が非常に悪い。
魔法を放った所で、やつのユニーク魔法でそらされてしまう。
いくら闇の陣営に居たとはいえ、スノーも魔法が使えなければ単なる女の子。
当たらなければ意味が無い。
魔法の軌道を変えるなんて、闇の陣営でもルシウスにしか出来ない芸当だった。
それをあの男は易々とやってのける。
正直に感想を述べるならば、あれはチートだ。
あの能力ひとつで、魔法戦争の勝敗が決まるくらいのチートだ。
欲しい能力であると共に、太刀打ち出来ないが故にイラッとする。
ジェイド・リーチも恐ろしい男だ。
やつのユニーク魔法の前ではおそらく閉心術も効果がない。
勝手に自分の秘密を探られるというのは気分のいいものではない。
幸いまだ使われたことは無いが、そのリスクを考えると非常に恐ろしい。
もし元の世界にこんなやつがいれば、簡単に我が君の居場所など割れてしまっただろう、なんて考えれば考えるほど恐ろしいのだ。
そう、この兄弟はそのくらい戦時利用価値がある。
そしてその力でスノーをねじ伏せ、好き放題遊ぶ2人が嫌いだ。
他の魔法で彼らに劣るなんてことは無い。
生まれ持った才能だけであの2人はスノーをねじ伏せる。
それが非常に気に食わない。
快楽が欲しいと学園内を好き放題食い散らかしているスノーだが、この兄弟だけは食う気にならなかった。
スノーの意志など関係なく遊び始める2人がとてもめんどくさい。
それなのに、この双子はスノーをたいそう気に入り、追い回し、そして時に組み敷くのだ。
平和にお喋りをしたりするだけなら嫌いでは無い。
むしろ一緒にイタズラをするのは非常に楽しい。
だがしかし、いかんせんいつスイッチが入るかわからない。
気まぐれなウツボ達は1度スイッチが入ると獰猛だ。
そんな彼らにお仕置を任されるなんて、とんでもないお仕置だ。
クルーウェル先生は実にスノーのことをよくわかっている。
自由に快楽を貪りたいスノーにとって、好き放題無理やりねじ伏せてくる彼等は天敵なのだ。