それでも私はかの君を愛してる【twst・ハリポタ】
第7章 核心には届かない
痛みに震えながら、スノーの頭は冷静さを取り戻していた。
"危ない仕事はするんじゃねぇぞ"
外での仕事が決まった後に、レオナが心配そうな顔でそう言っのを思い返す。
仕事の内容を深く聞くことも無く、ただその一言だけをスノーに伝えた。
仕事の中身が知られれば、心配を通り越して怒られるのはわかりきっていたことだ。
それでも。
彼は自分から離れることは無い。
そんな自信がある。
この行為が終わった後も離れずにいてくれる、その安心感があった。
これは優しい彼に心配をかけた罰なのだ、そうぼんやりと思う。
抵抗しようと思えば出来なくもない。
スノーはアニメーガスを習得していた。
杖なしで好きなタイミングで己の体を動物へと変化させることができることを、まだ彼は知らない。
彼だけでなく学園内の殆どが知らないこの魔法で、レオナの腕から抜け出す事くらいは簡単に出来る。
もっとも、こんな所でアニメーガスを披露して抜け出せたところで、いずれとっ捕まるのは目に見えている。
それに今回の件に関して悪いのは完全に自分だ。
怒られるのがわかっていて隠していたのだから。
スノーは考えながらも襲う鋭い痛みに体をよじらせる。
お仕置だと彼が言うこの行為が終われば、いつも通りに彼は優しいという確信があった。
ズルい考えだという自覚もあったが、それはそれだろう。
どのみちこの男から逃げ切る事は出来ないのだ、と諦めにも似た思いで、このまま痛みに耐えるという選択をした。
のちにその選択を酷く後悔することになるなど、この時はまだ全く気づいていなかった。