それでも私はかの君を愛してる【twst・ハリポタ】
第7章 核心には届かない
レオナはギラつく瞳でスノーの瞳を睨み続ける。
スノーが元の世界で熾烈な戦場に身を置いていたことも。
魔法使いとして相当に優秀な腕を持っていることも。
聞いて知ってはいる。
ただレオナにはその実感が全くなかった。
確かに飛行術に関してはサバナクローのマジフト練習に来てもらう程の腕だ。
実際に目にしているし、認めるところである。
だがしかし。
学園内のスノーの姿からは、戦闘に長けているという認識はどうも出来なかった。
杖がなければ何も出来ない少女、杖がなければか弱い草食動物、という認識のままなのだ。
こんなにも細い腕で
こんなにも華奢な体で
スノーが強いのだとは到底信じられないのだ。
だからこそ、危険な仕事を率先して受けているスノーが許せなかった。
危険な仕事はしないと約束をしていたにも関わらず、か弱い草食動物が危険な戦闘の仕事をしていたと知ったレオナの苛立ちは凄まじい。
どうせこの女は危ない仕事ではない、とケロッとて言うのだろう。
そう思うとさらに腹が立つ。
それがスノーの身を心配して生じる感情なのだと、どこかでぼんやりと気づいてはいたが、それでも今は苛立ちが強かった。
どれだけ優秀な魔法使いであろうと。
杖がなければ無力で非力な女なのだと、その身に叩き込んでやろうと思った。
「お前がやってる仕事は、お前がどれだけ言い訳しようと危険な仕事なのは間違いねぇ…
約束を破ったんだ、仕置きしなきゃいけねぇなぁ?」
その言葉は本人が思っていたよりも低く、唸るように発せられた。