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それでも私はかの君を愛してる【twst・ハリポタ】

第7章 核心には届かない


「…なんでこんな仕事に手を出した」

咎めるような、悲しそうな低い声でレオナが問う。

「危ない仕事はすんな、って散々言ったよなぁ?
こんな仕事じゃなくとも生活出来るくらいの金なら稼げるだろ。
それに、なんだこの回数は。」

名簿には前年度の執行回数が記載されている。
レオナは見てしまったのだろう、昨年この世界に突然やってきた彼女が、半年の間にこなした件数を。
他の執行者よりも遥かに多い件数に目がいかないわけがない。

「それは…」

スノーはなんと答えたものか、と言い淀む。

「腕が、落ちないように…。
元の世界に戻った時に、すぐに戦えるように…。」

言葉を選ぶように紡ぐスノーに、レオナはグルルと低く喉を鳴らした。
眉間の皺が更に深くなる。

「帰らなきゃいいだろ。
クロウリーがお前をすんなり帰すとは思えねぇなぁ?」

身を案じてくれているのは、痛いほどよくわかる。
とはいえ、その言葉にはどうしても反論したかった。
そもそも今日は機嫌が悪かったのもあるのだろう。
想定外に隠していた秘密がボロボロとバレて、焦っていたのもあるのだろう。
スノーはキッとレオナの目を見据えて吠えた。

「帰るのよ…
帰ってハリーポッターを殺して、我が君を蘇らせるわ…!」

レオナからすれば、何度も聞いたスノーの野望。
今初めて聞いたわけでもない。
それでも、なぜだか無性に苛立った。
レオナとスノーは、手に入らないものを追い求めるという点で酷く似ていた。
届かない物に焦がれ傷つく、その傷を舐め合う仲だと思っていた。
それなのに。
自分の身を危険に晒してでもそれを求めるスノーに、今日は酷く苛立った。
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