それでも私はかの君を愛してる【twst・ハリポタ】
第7章 核心には届かない
フロイドをオクタヴィネルに放り込んだスノーは、箒を引っ掴んでサバナクロー寮に姿くらましした。
THE不機嫌と言わんばかりの顔をしたレオナの出迎えに、思わず肩をすくめてしまう。
「まぁまぁレオナさん!
スノーちゃん無事だったんだからいいじゃないっスか!」
どうやら時間なっても来ずに連絡も取れないスノーを心配してくれていたらしいレオナを、ラギーが必死になだめている。
「すみません、キングスカラー先輩…」
頭を下げつつ様子をうかがうも、これはかなり機嫌を損ねてしまったらしい。
せっかくの綺麗な顔も、眉間に寄った皺で台無しだ。
頭上から、はぁぁぁ、という大きなため息が聞こえる。
「ラギー、今日はお前が練習の指示出してろ。
晩飯はスノーの分も用意しとけ。」
「了解っス」
そう言葉を吐き捨てたレオナは、キョトンとするスノーを肩に担ぎあげた。
そして大股でズンズンと室内へと歩みを進めていく。
「キングスカラー先輩!?
え、練習は!?」
「耳もとでキャンキャン騒ぐなうるせぇ…
お前には聞きたいことがある、大人しくしてろ」
レオナはじたばたと暴れるスノーの腰をしっかりと掴みそのまま担いで行く。
スノーが、なんだ、何事だ、と目を白黒されているうちに着いたのは、何度も来たことのあるレオナの部屋だった。
クルリとローブを脱がすように体を回され、そのままベッドの上へと投げられる。
投げられても痛みがないのは彼の寝具が相当に良い物だからだろう。
「さて…随分と秘密主義なスノーちゃんには、聞きたいことがたっぷりとあるんだがなぁ…」
わざわざちゃん付けで呼びながら、口元に笑みを浮かべ歩み寄ってくるレオナのその姿に、全く状況が理解できないながらも嫌な予感がした。
杖の入ったローブまで脱がせているということは、逃がす気は無いと宣言しているのと同じだ。
スノーは引きつった笑みを浮かべながら、何かを諦めた。