それでも私はかの君を愛してる【twst・ハリポタ】
第7章 核心には届かない
目が覚めた時には既に夕方だった。
慌ててフロイドを叩き起すと、スノーはやってしまった、と空をあおぐ。
自分のスマートフォンにはレオナから、フロイドにはアズールとジェイドから。
鬼のような着信が入っていたのだから、2人して完全にやってしまった。
「アチャー…
ぜってーアズール怒ってるじゃん。」
ペロッと舌を出しながら呑気に笑うフロイドの頭を軽く叩きながら、スノーは鳴り続けるスマートフォンを眺める。
サバナクロー生が気合いを入れる、マジフト大会前の練習だ。
練習に付き合うと約束している以上、無断欠席は非常に怒られる。
「リーチ…そのままギューってしててくれる?
絶対に離しちゃダメよ?
オクタヴィネルに送るから。」
一刻も早くサバナクロー寮に行かねば、レオナの機嫌を取るラギーが不憫なことになっているに違いない。
スノーはごめんねブッチ、と心の中で謝りつつも、背後のウツボに目をやった。
これぞマイペース!と褒めてやりたいくらいに動じない姿に、頭がクラクラした。
「よくわかんないけど、いいよぉー。
スノーちゃんにギューってしてればいいのー?」
こてん、と可愛らしく小首を傾げる191cmの大男に、スノーはため息をつきつつも杖を振る。
バチンッという大きな音と共に、体がグルンと捻れるような感覚と浮遊。
「何これ!?」
背後から珍しく慌てた声が聞こえて、思わずクスっと笑ってしまう。
姿くらましの感覚は慣れるまではなんとも言えず気持ち悪いものだ。
酔う人だって少なくはない。
あっという間にオクタヴィネルの談話室に到着したことに、フロイドが目をパチパチとさせた。
「え…
スノーちゃんすごいんだけど…」