第5章 夏
夜久くんは穂波のお兄さんのことがすごく気になるみたいで、
しばらくの間話していた。
「…あれ?穂波ちゃんの首も虫に刺されてるな…昨日山にでも行ってきたのか?笑」
「…わかってるクセに」
「…笑 2つで足りた?」
「………」
クロがうるさいのでゲームを取り出して、部室の外に出てに座る。
「研磨!穂波ちゃんと帰るんだろ?コンビニは明日でよろしく〜 じゃあな!」
少ししてから夜久くんが出てきて帰って行った。
「…ん。夜久くん、昨日はありがと。…またね」
ゲームを続けていると、
穂波がクロと一緒に出てきて3人で駅に向かう。
電車に乗ると、昨日のことや今朝のこと
その後での部活もあって、いつの間にか寝てしまっていた。
『研磨くん、起きて?駅に着くよ』
穂波の声で目が覚める。
「…あ、うん。…ありがと」
「穂波、ここでレッスンの日ってもうちょっと後からじゃなかったっけ?どこか寄ってく?」
『うん、そうそう。そうなんだけど、早く入ることもできるから、今日はこのまま行こうかな』
「…ん」
『お家でゆっくり休んでね』
「…ん」
『…そうだ、再来週の土曜日、〇〇駅で夏祭りがあって。一緒に行けたらいこう?』
「うん、行こう。今週は宮城だっけ」
『…ん。おばあちゃん家行ってくる。
夏祭りのとき、家でBBQしてるんだけど、それも良かったら…強制じゃないよ。笑
もし良ければクロさんも…』
「…ん。…クロ、行く?」
「…え?聞いてなかった」
「後で話す。もう穂波、ここだから」
三岐路のところに着いたので、穂波がスタジオに入るのを見送って、クロと歩き出す。
「こんなとこに通ってたんだな。会わないもんだねぇ」
「部活してるからね」
「…だな」
「…再来週の土曜、穂波ん家でBBQするからクロもどうかって」
「…え、俺?…俺は研磨がいいならいくけど」
「…うん。クロも行こ。穂波ん家だし、何か家族以外の人他にも居そう。
クロがいたほうが、分散されそう…」
「…笑。でも行くんだ」
「…ん、夏祭り約束してたし」