第5章 夏
ー研磨sideー
部室の中に入って、みんなの着替えが大体終わってたから穂波を呼ぶ
開けておいた部室の入り口から
穂波はひょこっと顔を出して、
『こんにちは。みなさん毎日お疲れさまです』
太陽みたいな笑顔で部室の中に声をかける。
…かわいい
『…あの、クロさん。』
「…ん?俺?……なに〜、穂波ちゃん♡
向こうに行ってる間に俺が恋しくなった?」
「………」
『ふふ。クロさん♡お久しぶりです。これ、ハワイのお土産…
一人ずつあるので、持って帰ってもらえたら…』
「え?マジに?わざわざどうもありがとう。
おーい、穂波ちゃんからお土産いただいたぞー」
「えー穂波ちゃん、俺らにまでありがとう〜 ていうかお帰り〜!」
クロが風呂敷を開けると、
浅い籠の中に巾着がぽんぽんっと並んで入っていた。
「あ、名前が押されてる」
「ほんとだ!俺のもある〜うれしい〜」
「おい、研磨。研磨のもあるぞ」
「…え、でもおれもう…」
KODZUMEって書いてある。
…ん?なんか字一個多くない?
中身はハワイらしくて穂波らしくて
でもちゃんと部活男子っぽくて、さすがだなと思った。
夜久「ねぇ、これどうやって飲むの?」
『…あ、わたしも飲んだことないんだけど、牛乳とかヨーグルトに混ぜれば良いみたい。
プロテインも入ってて、味も美味しいって…兄が言ってました』
「…兄……あ!ビデオ通話に出てきたセクシーイケメン!」
海「……?」
「いや、合宿BBQの時に研磨がテレビ電話してて。
で、穂波ちゃんのお兄さんもすこし出てきたんだよ。
俺でもドキッとしちゃった。爽やかに色っぽくてかっけーのな」
海「そうなのか。実家に一緒にいるの?」
『いまはカリフォルニアに住んでて、ハワイで会えて…』
「すげー!俺も海外行きてーなー!お兄さんなんの仕事してるの?」
『…んー、映像撮ったり、最近は小さな会社立ち上げていろいろしてるみたい。
あとプロサーファーでもあって』
「ぅお。マジハイスペックじゃん。お兄さん何歳?」
『21です。6つ上』
「21!21でもできんだなー 夢があるわぁ〜」